本記事ではつみたてNISAとiDeCoのどちらがおすすめかを解説します。

最近資産運用といえば「つみたてNISA」と「iDeCo」って聞くけど、どう
違うんだろう?
どっちで運用したらいいのかな?
このような疑問を解決します。
私はつみたてNISAは制度が開始した2018年1月から、iDeCoは2020年10月から利用を開始しています。
それぞれで運用する中で感じたメリット、デメリットを基に、資産運用を始めるにはどちらがオススメかを解説します。
最後まで読んでいただくと、あなたがどちらの運用から始めるべきかわかるようになりますよ!
こんな人にオススメ
- 資産運用を始めようか迷っている人
- つみたてNISAとiDeCoのどちらを利用するか悩んでいる人
- 資産運用を始めることにしたけど、何から始めたらいいか分からない人
先に結論から言うと、以下の通りです。
結論
- まずはつみたてNISAからが良い
- 老後資金のため定年までつみたて続ける見通しが立てばiDeCoが良い
- 定年まで絶対に続けられる自信がない場合はやっぱりつみたてNISA
- それぞれの制度の確認
- なぜつみたてNISAがオススメなのか
- つみたてNISAの注意点
- つみたてNISAを始めるまでのステップ
この順番で解説します。
それぞれの制度内容を確認
まずそれぞれの制度について簡単に確認しましょう。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは国が主導している資産形成のための非課税制度です(金融庁のHPはこちら)。
証券口座に加えて特別な「つみたてNISA口座」を開設する必要があります。
つみたてNISAとは
- 株ではなく、国が認めた投資信託を購入する
- 年間40万円の購入分については20年間の運用益が非課税になる
- 購入できるのは2042年まで
- いつでも現金に戻せる
こういった特徴があります。
国が認めた投資信託を購入する
資産運用というと株を購入して高値で売る、というイメージがあるかと思いますが、つみたてNISAでは株の購入はできません。
投資信託のみ購入が認められています。
投資信託とは
- 資産運用の専門家、企業が資金を集めて、それを元手に投資を行い資産を増やす
- 勝手に分散投資してくれる
- 資金提供者には見返りとして配当金が支払われる
- 基準価格(株価のようなもの)に関わらず、定額で購入できる(毎月3万円分、など)
投資信託についてはこちらの記事でも解説しています。
>>>20代から始める資産運用を絶対におすすめする理由と運用方法を解説
-
20代から始める資産運用を絶対におすすめする理由と運用方法を解説
続きを見る
こういった特徴があります。
金融資産なので、株と同じように、購入した時よりも価値が下がる(元本割れする)可能性がある、ということは理解しましょう。
投資信託はたくさんの種類がありますが、つみたてNISAはその中でも、国が優良と認めたものだけを購入することができます。
変な詐欺商品を掴まなくて済む、という安心感がありますね。
年間40万円の購入分については20年間の運用益が非課税になる
例えば、今年40万円分の投資信託をつみたてNISAの枠で買ったとします。
それが20年後に60万円に増えていたとしましょう。
その場合運用利益が20万円あるので、その20万円に対して税金(約20%=4万円)がかかるのが通常です。
しかし、つみたてNISAの枠で買った場合、それがかかりません。
この差はとんでもなく大きいですよね。
購入できるのは2042年まで
「運用益が非課税になる」という特権が適応されるのは2042年までに購入した分までです。
今のところその後に続く制度は発表されていないので(20年以上先のことなので当然ですが)、それ以降に購入するものは運用益にしっかりと税金がかかるようになります。
できるだけ早く始めるほど、その恩恵を受けることができる、ということですね。
いつでも現金に戻せる
この後説明するiDeCoとの大きな違いなのですが、いつでも現金に変えることができます。
もちろん、元本割れしている時に現金にすると損をしてしまうため、そのタイミングは気をつける必要がありますが。
それでも「必要な時には生活資金に当てることができる」というのは大きな安心感がありますよね。
iDeCoとは
iDeCoは私的年金制度であり、「自分で用意する年金」と言えるものです(公式HPはこちら)。
あくまで「私的」なので加入は任意です。
利用を開始するには、取り寄せた書類を職場で書いてもらうなど、少々面倒な手続きが必要です。
iDeCoとは
- つみたてNISAと同様に投資信託や債券などを購入する
- 運用益だけでなく、つみたて費用も非課税になる
- 60歳以降でないと現金にできない
こういった特徴があります。
投資信託や債券などを購入する
投資信託を購入するのはつみたてNISAと同じですが、債券や定期預金に近いものなど、もう少し選択肢が広くなっています。
一方で、つみたてNISAと比較して投資先の種類が少なくなっており、「どれを選んでいいか分からない!」という状態になりにくくなっていますね。
楽天証券の場合ですと、iDeCoで選択できるものはたったの32種類です。
運用益だけでなく、つみたて費用も非課税になる
運用益が非課税なのはつみたてNISAも同じですが、iDeCoの場合つみたて費用も非課税になります。
実際は色々と控除されるものが他にもあるのですが、極力シンプルに考えてみましょう。
例)年間の給与所得300万円、年間40万円を積み立てる場合
つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|
給与所得 | 300万円 | 300万円 |
つみたて金額 | 40万円 | 40万円 |
課税所得 | 300万円 | 260万円 |
課税所得とは、文字通り税金がかかる(税を課す)所得です。
所得から色々と控除(取り除く)して、残った金額を基に計算して所得税、住民税などが決まります。
つまり、課税所得が少ないほど税金も少なくなる、てことですね。
iDeCoの場合、つみたてた金額をその課税所得から控除する(取り除く)ことができます。
運用益だけでなく、つみたて中にも節税することができる、ということです。
60歳以降でないと現金にできない
あくまでも「年金」なので、60歳以降でないと現金に戻すことができません。
これが大きなデメリットと言えるでしょう。
ちなみに、手続きをすればつみたてを止めることはできます。
まずはつみたてNISAからがオススメ
つみたてNISAとiDeCoの違いについて確認しました。
普通の証券口座も交えて特徴をまとめてみるとこんな感じですね。
証券口座 | つみたてNISA | iDeCo | |
対象 | ・株 ・投資信託など ・他種多用 | ・投資信託 | ・投資信託など ・債券に近いものもある |
手続き | 証券口座を開設すればOK | 証券口座+αで開設が必要 | 職場で書類を書いてもらうなど 一番手間がかかる |
選べるファンド | いっぱい 多すぎて選ぶの大変、という一面も | そこそこ多い、一部選べない種類もある 国が認めたファンドしかないから安心感あり | 一番少ない(楽天証券で30前後) 迷わなくて済む、という一面も |
税金優遇 | 無し | 運用益が非課税 | 運用益も運用費も非課税 |
お金の流動性 | いつでも出金可能 | いつでも出金可能 | 60歳まで出金不可 |
ここで、こんな疑問があるのではないでしょうか。

それぞれ特徴があるのはわかったけど…。
結局どちらから始めたらいいの?
結論としては、まずはつみたてNISAから始めることをオススメします。
理由は以下の3つです。
つみたてNISAを勧める理由
- 手続きが楽で始めやすい
- iDeCoほど縛りがキツくない
- 税金のお得性はしっかりある
手続きが楽で始めやすい
つみたてNISAの場合、通常の証券口座+つみたてNISA口座が必要です。
手間ではありますが、iDeCoは会社で書類を書いてもらうなど更に手間がかかるので、それよりは大分楽です。
iDeCoほど縛りがキツくない
iDeCoは60歳まで現金に戻せませんが、つみたてNISAなら必要な時に現金に戻すことができます。
20年、30年後のことまで正確に予測することは、はっきり言って無理です。
60歳までつみたて続ける見通しが立たない間は、無理せずつみたてNISAで運用するのが良いです。
税金のお得性はしっかりある
iDeCoのようにつみたて費用まで非課税、とはなりませんが、運用利益が非課税になるのは大きなメリットです。
ちなみに、個別株で安定して利益を出すのは、よっぽど経験を積んで勉強していない限り難しいです。
安定して利益を出したいなら投資信託などを利用して長期スパン✖️分散投資が鉄則。
投資信託を利用するならつみたてNISAで非課税の恩恵をしっかりと受け取るのが◎。
つみたてNISAの注意点
まずはつみたてNISAから始めるのが良いですが、注意点があります。
注意点
- 生活防衛資金も準備する
- 使用時期が決まっているお金は使わない
つみたてNISAに限った話ではないですが、資産運用をする時は必ず注意するようにして下さい。
生活防衛資金も準備する
資産運用を始めると「貯金全部運用に回してしまえ!」と考える人がいらっしゃいますが、絶対にやめてください。
今回のコロナ禍でよくわかりましたが、人生何があるかわかりません。
何かがあって働けなくなった時、現金がないと生活が破綻してしまします。
なので、最低限の生活防衛資金は準備するようにしましょう。
目安は月収6ヶ月分。
万が一何かがあっても、半年は今の生活が続けられる、という状態にしてから資産運用にお金を回しましょう。
使用時期が決まっているお金は使わない
金融資産は、常に利益が出るものではありません。
投資信託も金融資産なので、時期によっては元本割れすることもあります。
つまり、出金時期が決まっているものを運用に回してしますと、いざその時にマイナスになっている可能性があります。
- 子どもの入学金
- 購入時期が決まっているマイホーム貯金
こういったものは運用に回さず、余剰資金で資産運用を行うようにしましょう。
つみたてNISAを始めるまでのステップ
ここからは、つみたてNISAで資産運用を始めるまでの具体的な手順を解説します。
資産運用までの手順
- 余剰資金を生み出す
- 口座を開設する
- 注文する
書いてみるとシンプルですね。
一つずつ見ていきましょう。
余剰資金を生み出す
日々の生活をしながら、生活防衛資金は確保しながら、投資にもお金が回す。
そうなると、継続して余剰資金が必要となります。
そのためにはまず家計の見直しが一番!
なぜなら収入を月3万円増やすより、月3万円節約する方が早くて簡単だからです。
家計簿については以下の記事で解説しています。
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口座開設
資産運用できる準備が整ったら口座を解説しましょう。
証券口座はいくつも開設できますが、つみたてNISA口座は一つしか開設出来ません。
普段使っている証券口座があるなら、慣れているところでつみたてNISA口座を開設するのもいいでしょう。
注文
つみたてNISA口座が開設出来たら、いよいよ注文します。
つみたてNISAは年間40万円までが非課税枠になるので、一ヶ月あたり33,333円になります。
好きなファンドを組み合わせて、毎月のつみたて額が33,333円になるようにしましょう。
もちろんそれより少なくても大丈夫です。
私のオススメファンドはこちらです(個人的な見解です。自己判断で購入していただく様お願い致します)。
オススメファンド
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))
今は成績が良くてもそれがずっと続くとは限らないので、一極集中せず分散することが大切です。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
つみたてNISAを始めた当初からずっと買っています。
国内・先進国・新興国の株式・債券、国内・先進国のリートの合計8資産に均等に投資するものです。
いわゆるバランス型、と言われるもので、これひとつで株式・債券、国内外、先進国・新興国の分散投資ができます。
大きく増えることはそんなにないですが、その分大きく損をすることもなく着実に増える感じ。
2021年9月12日時点で+19.97%
私の保有するファンドの中の調整役、といった感じですね。
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))
2019年6月から追加で買い始めました。
アメリカの株式に対して投資を行うものですね。
2021年9月12日時点で+35.91%
手数料が低く、パフォーマンスも現時点では文句なしです。
まとめ
まとめ
- まずはつみたてNISAからが良い
- 老後資金のため+定年までつみたて続ける覚悟があればiDeCo
- 自信がない場合はやっぱりつみたてNISA
つみたてNISAとiDeCo、どちらから始めるのが良いかについて解説しました。
繰り返しになりますが、まずはつみたてNISAから。
実際にやってみて、感覚が掴めたらiDeCoを始める、という形が無理なくオススメです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。