本記事では理学療法士・作業療法士が一般企業へ転職活動する時に理解しておくべきポイントを解説します。

理学療法士・作業療法士が一般企業に転職するなんて、現実的に可能なの?
具体的にはどんなことに気をつければいいの?
このような疑問に答えます。
私は一度、治験コーディネーターへ転職しようと半年間転職活動を行った結果、挫折した経験があります。
しかし、その経験を糧に3年後にはITエンジニアへの転職を成功しました。
その経験から理学療法士・作業療法士が一般職へ転職する際に理解しておくべきポイントを解説します。
この記事で分かること
- 療法士が一般職に転職する際に理解しておくべきポイント
- 必要な対策の概要
結論から言いますと、知っておくべきポイントは以下の通りです。
知っておくべきポイント
- 一般的な就職活動の経験がほぼ無いので経験値不足
- 医療業界での仕事は一般的な社会人経験とみなされない
- 一般企業で療法士としての経験が活かせるとは思われない
一つずつ見ていきましょう。
目次
医療職から一般企業への転職は不利である
最近は理学療法士・作業療法士から一般企業へ転職する人が増えてきています。
今この記事を読んでいるあなたも他職種への転職を考えていることでしょう。
しかし、転職活動は想像している以上に過酷なもので、未来への希望とそのギャップで途中で挫折してしまう人も少なくないです。
過酷な転職活動を乗り切るためには、
「一般職への転職においては不利な状況にある」ということを予め認識し、その対策をする。
これが重要です。
では具体的にどの部分で不利なのでしょうか。
一般的な就職活動の経験がほぼ無いので経験値不足
まず、療法士と一般職では新卒時代の就職活動に大きな違いがあります。
一般的な就職活動いえば、
- エントリーシートを記入し、何十という企業に応募
- 企業によってはSPI試験がある
- 自分を分析し、面接対策を練る
- 複数回の面接を経て徐々に絞り込まれていく
こんな感じです。
一方療法士の場合
- 基本的に一つの病院・施設に応募
- 自分を分析し、面接対策を練る
- 病院・施設によっては国家試験に準じたテストがある
- 面接は基本1回
こんな感じです。
自分を分析し面接対策を練るのは同じですが、SPI試験の経験の有無と、面接のこなした数の差は大きいです。
SPI試験とは
SPI試験とはリクルートが提供している適正試験のことで、一般職での中途採用でも使われることがあります。
問題自体は中学生レベルの国語・数学の場合がほとんどですが、制限時間がある、前の問題に戻れないなどが特徴ですね。
やや特殊なため、専用の対策書籍を使用するなどしてしっかりとした対策が必要になります。
新卒の就職活動でこれを経験しているかどうかの差は大きいと考えて下さい。
また、面接に慣れているかどうかの差も大きいです。
人生において「面接を受ける」という経験はそう何度もありません。
受験、バイトの面接、就職活動、というくらいでしょう。
どうしても緊張するものなので、結局は慣れるしかないのですが、慣れるためには場数を踏むしかありません。
となると、新卒の就職活動で場数を踏んでいるかどうかの差は大きいのです。
対策は?
これらの対策としては
SPI試験 → 専用の問題集を購入し、2〜3周する。
面接 → 転職エージェントのサービスを利用し、面接対策を依頼する。
こういったことが必要です。
SPI試験については専用の書籍が多くありますので、一つ購入し繰り返し解いてください。
SMART/SPI-Gなら実際の問題と同じ形で模擬試験が可能です。
しっかりと対策を行なってから本番を迎えられるようにしましょう。
面接については転職エージェントを利用すると良いです。
相手は転職のプロですので、慣れる+適切なアドバイスをもらえるでしょう。
転職エージェントについてもまた別記事で書きたいと思います。
医療業界での仕事は一般的な社会人経験とみなされない
療法士としての経験はいわゆる「社会人経験」としてはみなされないと考えて下さい。
入社3年以内で転職する場合「第二新卒」と言われるのを聞いたことがあると思います。
第二新卒は「社会人経験があるので、新卒より教育コストがかからず採用されやすい」と言われたりもしますが、療法士の場合これには当てはまらないと考えましょう。
ここで言う「社会人経験」とは一般企業で新人の間でも経験するであろう業務、経験を指します。
例えば
- 電話応対
- 社外の人との初対面での対応(例:名刺交換とか)
- 取引先との接待
こういったものです。
病院・施設ではあまり経験することがないものだと思います。
第二新卒でない中途採用であれば、なおのことこのような経験はあるのが前提となっています。
対策は?
これについては業務上経験できないものはできないので、そこはどうしようもありません。
しかし療法士として仕事をしている中で、活かせる経験が必ずあるはずです。
「こちらが想定していた社会人経験は無いけど、代わりに他の人には無い武器があるじゃないか」
と、面接担当の人に思わせれば良いのです。
そのためには「自分の経験を一般職用に変換する」という作業が必要になります。
それについてはこちらの記事で詳しく書いていますので、是非ご覧ください。
一般企業で療法士としての経験が活かせるとは思われない
療法士に限った話ではないですが、専門的な業界になればなるほど、どんな経験をしているのか別業界の人には伝わりにくいものです。
医療業界以外の人から見れば理学療法士と作業療法士の違いなんて分かりませんし、マッサージとの違いも分かりません。
営業職であれば社外の人とのコミュニケーションに慣れているだろう、とか
研究職であれば論理的な思考ができそう、とか
そのようなイメージが持てますが、療法士に関してはイメージされにくいと考えましょう。
その結果、自分の今までの経験や強みを伝えにくい、ということを認識して下さい。
対策は?
前の項目でも書きましたが「自分の経験を一般職用に変換する」必要があります。
ストレートに自分の経験を話すのではなく、医療業界以外の人が聞いても「それならうちでも活かせるね」と思わせる内容に変換するのです。
まとめ
まとめ
- 理学療法士・作業療法士が一般職に転職するのはスタート時点でやや不利
- 一般的な就職活動の経験がほぼ無いので経験値不足
- 医療業界での仕事は一般的な社会人経験とみなされない
- 一般企業で療法士としての経験が活かせるとは思われない
- どこが弱いのかを認識し、それを補う戦略が必要
医療・介護業界の転職と同じに考えるといつまでも内定にたどり着けません。
一般職においては「転職弱者」であると認識し、しっかりと対策していきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。